建築マネジメント塾 受講生インタビュー 2025年3月10日実施
社会の大きな流れを掴み、仕事へ繋げる
良い緊張感で「新しい挑戦」をしたくなる
studio mons LLC.
代表 伊藤 圭太さん
かつての先輩が、今何を考えているのか知りたい

講師の川原さんは私にとって前職の先輩にあたります。30年ほど前に設計事務所へ入社したとき、同じ部にいらしたのが川原さんでした。当時から非常にパワフルで人の3倍も5倍も仕事をこなし、圧倒的なエネルギーをもって自分のメッセージを伝えられる、飛び抜けた能力を持った方でした。
川原さんが山下PMCへ転職された後も1年ほどご一緒したことがあります。「設計者」を自認していた私にとって、正直CMの仕事へ異動が決まったときは正直戸惑いもありました。しかし実際に関わってみるとCMと設計者の役割は全く違う。川原さんをはじめCMチームの皆様が「これからの日本の建設業界を変えていこう」という意欲を持った方々の熱意で、CM業務に対する認識が変わりました。
その後私は独立しましたが、川原さんから受けた影響や学びはずっと生きています。建築デザイン領域だけでなくクライアントの事業スキームやコンセプトの構想段階から関わるのも、その頃の川原さんとの出会いが大きく影響しています。その川原さんが建築マネジメント塾を始めると聞き、「今の川原さんは何を考えているのだろう」と改めて知りたくなったのが受講の動機です。
社会の動きを知り、新しいトライをしたくなる
私の場合、2023年に全10回のカリキュラムを通しで受講し、2024年にも1部と2部(全6回)を再受講しました。講義は「今、世の中はどの方向へ進み、建設業界がどう変わるか」という視点から始まります。建設という領域を超えたところから提示されるので、設計やデザインのみを考える人にとっては高度に感じるかもしれません。しかし「もう業界はそんなに進んでいるのか」「自分も新しいことにトライしないといけないな」と思わせる、良い意味で緊張感のある内容です。
雑誌やWebなどの情報媒体からデザインや建築家の思想などは分かりますが、社会全般と建設業界との関係や動きというダイナミックな視点は不足しがちです。我々の業界とビジネスと直結する経済の流れや世の中の動きの話を川原さんの具体的なプロジェクトの実践を通して聞けるのは、この塾の最大の価値だと思います。
川原さんは、まず農水省が管轄する農用地開発/整備公団に入り、組織設計事務所、PM/CM企業とキャリアを積まれてきました。日本の大きなビジネスの流れに常に追随しながら、新しい建設に関わるシステムを構築してきた方なので、やはり視座が高く、常に物事を俯瞰して考える。この川原さんの思考に触れられるのは大きな魅力だと思います。
テキストは、プロジェクトのプレゼンでも役立っている
再受講した理由は、もっと理解を深めたいと思ったからです。1回目はスピードと情報量が一気に押し寄せてきてびっくりしました。講義で話していることは分かります。しかし「なんとなく分かった」のではなく「しっかり理解したい」と考え、1部と2部をもう一度受けました。
使用テキストはプロジェクトのコンセプトなどをクライアントへの説明の際にも役立っています。建設業界の流れはどうなっているのか、今後の事業にどう生かせばよいか、重要なキーワードを交えて話すとお客様も納得されます。川原さんからの学びは、理解から一歩進んで実践しないと本当の活用にはなりません。2回目の受講では、実践のために何をすべきかを探りながら復習した気がします。

営業やメディアに関わる人にも受講をすすめたい
建設業界では事業プロポーザル方式の発注が増え、その発注者となる企業が時代の流れをどう読み、社会や地域にどう貢献するか、その上でどう利益を生むかという課題について私たちも解決策を求められます。その際に、川原さんが提唱するプロジェクトスキームの構築方法は有効です。だからこそ意匠設計者やデザイナーに限らず、お客様と直接話す立場にある多くの職種の方々にはこの塾をおすすめしたいですね。さまざまな視点から語られるので、いわゆる技術職ではない営業職、メディア職の皆さんの視野も広がるはずです。
今後どんな分野に勢いがあるのかなどという部分も学べるので、新規顧客へアプローチする際は参考にしています。すでにプロジェクトを一通り経験していれば自分の案件に落とし込んで見直せますし、若手であれば旧来的な業界の色に染まる前に革新的な考え方を手に入れられるでしょう。川原さんの話を直に聞いて、「世の中にこんなにパワフルな人が業界をリードされているんだ」と体感できる点も推したいと思います。