建築マネジメント塾 受講生インタビュー 2025年9月26日実施

地方から2度の受講、1秒1秒が新たな学びになる
設計者としてのあり方を見直せる機会

MAEDA DESIGN LAB
代表 前田直孝さん

「良いデザイン」であれば、期待に応えられると思っていた

MAEDA DESIGN LAB 代表 前田直孝さん

私は現在、福岡で個人設計事務所を開き、オフィスビル、テナント、福祉施設などの中規模建築を九州と中国エリアで展開しています。もともとは組織設計事務所に所属し、ビッグプロジェクトの設計に携わっていました。しかし九州へ転勤してから「もっとお客様と密接につながる設計をしたい」と考えて、2017年に独立しました。

以前は良い建築デザインを提供すれば世の中が良くなると考えて、デザインに時間をかけ、お付き合いもしながら丁寧な仕事を心がけていました。しかし独立して数年後、あるクライアントからお叱りを受けてしまいます。良いデザインをめざすあまり、建設会社からの見積がプロジェクト自体を立ち行かなくするほどの莫大な金額になってしまったからです。

コロナ禍による物価高騰や社会システムの変化に対応できず、本当に「良いデザイン」だけを目的にしてしまった。「人の金で作りたいものを作るのか」と厳しい言葉をいただき、そこから「そもそもの設計のあり方」を考えるようになりました。

エネルギッシュな講義で「社会における建築」を意識

CM協会に入って川原さんのセミナーに参加したのが塾受講のきっかけでした。建築に対してこんなに熱い思いを持っている方がいるのか、というのが第一印象です。川原さんが塾を開くと聞き、直感的に「この人についていく以外にない」と思ってまず2023年に受講しました。当初は対面受講を考えましたが講義日数を考えてオンライン受講にしました。

しかし初回から予想した以上の内容で、3時間もこんなに濃い話ができるのかと驚愕しました。画面からでもひしひしと川原さんのエネルギーが伝わり、対面と変わらないパワーを受けます。講義ではまず、世の中の事業に対して建物がどのように必要なのか、その中でCMはどんな役割を果たすのかが説明されます。建築の世界でもこれだけの未来が開けているのだと明るい気持ちになりました。

クライアントのニーズを掴めば、設計者のビジネスは変わる

受講して学んだのは「クライアント側が求めている本質的なものを、設計者は理解していない」ということです。経営的な視点や社会を読み込む力を持つと、圧倒的にクライアントの信頼性が高まります。塾ではこれらの視点を学べます。設計者であっても絶対に取り入れるべき視点やノウハウです。

私の場合、受講後は売り上げが約3倍となりました。プロポーザルの提案でも勝率が80%となったのは、発注者側の視点やビジネスを理解し、それを踏まえた建築計画やデザインに落とし込んで提案する能力が身に付いたからだと思います。通常の設計業務でも円滑にプロジェクトが進行できるようになり、同時にクライアントから私への見方も良い方に変わっていると実感します。

2025年に再受講したのは、もう一度あの川原さんのエネルギーで聞きたいと考えたからです。再受講してみると思いもしなかった新たな気付きがたくさんありました。これは何回受けてもいいんじゃないでしょうか。1秒1秒が学びになるといってもいいくらいです。

クライアントのニーズを掴めば、設計者のビジネスは変わる

地方からでも社会の変化スピードについていける塾

いただいたテキストは今でもずっとバイブルになっています。受講当時は理解できなくても、数年経って見直すことがしばしばです。資料の一部を作り替えて自分のビジネスに生かすこともあります。建築士試験や前職の資料も保存してあるのですが、この塾のテキストが一番参考になります。おそらく週に何回というレベルで参照しています。

地方在住の経営者としては、世の中のスピードについていくために東京のスタンダードを知っておかないと取り残されるという危機感もありました。学び続けるためにもこの塾は有効ではないでしょうか。小手先のCMのノウハウではなく、設計も含めた「ビジネス」を広げていく視座が得られます。

受講してからは、CM専業の「株式会社 福岡建築マネジメント」を立ち上げました。九州でもCMを普及させていきたいという思いがあります。ここからクライアントのビジネスを大切にした建築マネジメントが広がっていけばと考えています。

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